法人事務所

 

GARDEN(北烏山三丁目小さな森)

事務所所在地の庭は、20147月、一般財団法人世田谷トラストまちづくりのみどり保全活動の一環である「小さな森」に認定登録されました(北烏山三丁目小さな森)。森と呼ぶにはほど遠いささやかな小庭ですが、5月にはオールドローズやその流れを汲むイングリッシュローズが開花し、しばし華やぎをみせます。

また、ガレージ前は舗装面のプランターによる緑化の/壁面はバラやつる植物による壁面緑化の/日陰はシェードガーデンの、それぞれ実験・実践の場として、試行錯誤を繰り返しております。

オープン・ガーデンは、世田谷トラストまちづくり主催によるものの他、自主企画による開催も計画しております。お近くにお越しの節は、ぜひお立寄りください。

 GALLERYSGSモリスギャラリー)

事務所内の英国風ギャラリーでは、ウィリアム・モリスとその周辺の英国画家によるドローイング・版画・資料類を中心とした個人コレクションを常設展示しております。通常は非公開ですが、企画展や学習会を随時開催するほか、ご希望者にはお貸しいたします(期間・費用等応相談)。まずはメールでお問合せください。


ウィリアム・モリスについて

  われわれの後に続く人々に地球に何をしたのだと聞かれたら、いったいどう説明できるだろう。

  何千年ものあいだの争いや無頓着や利己主義にもかかわらず、

  わが祖先は、それでも美しいままの地球をわれわれに手渡してくれたというのに

  『金(かね)が支配する世の中での芸術 Art under Plutocracy 188311月より

  翻訳: 城下真知子

ウィリアム・モリス(William Morris 18341896)は、19世紀の英国でアーツ&クラフツ運動を主導し、「モダンデザインの父」と呼ばれています。しかしデザイナーとしてのモリスは、このルネサンス的才人のほんの一面に過ぎず、詩人・作家・翻訳家・染色家・古建築保護活動家・社会思想家etc.…と、あらゆる分野でモリスは第一級の業績を残しました。ガーデナーとしてもです。モリスは「庭」についてこのように語っています。

  庭は、大小にかかわらず、秩序と豊かさが共存した姿でなければならない。

 

  庭は、断じて自然の我儘さや粗暴性を模倣したものであってはならず、 


  家の傍近くでなければ決して見ることができない景観として存在すべきだ。


  …よい庭は、人と自然の長きにわたる協働の産物である。

産業革命後のロンドンで進行した自然破壊や人心の荒廃と貧富の格差の拡大。冒頭に引用した130年前のモリスの嘆きは、今日の世界の心ある人々の嘆きそのものです。

モリスが『ユートピアだより』で描いた22世紀の理想郷としてのロンドンは、テムズ川は澄みわたり、工場の煙突は一本も見当たらず、緑したたる大地で農作業に勤しむ人々は、みな穏やかで労働の喜びにあふれています。

それはまだ「どこにもない場所」(『ユートピアだより』の原題はNews from Nowhere )ではありますが、まさしく私たちの目指すみどりの社会(Green Society)そのものといえます。世田谷グリーンソサエティは、この偉大な先人の精神にまなびつつ、活動していきます。

岩波文庫版『ユートピアだより』


 



 

 

 

 


モリスが晩年を過ごしたハマースミスの居宅

「ケルムスコット・ハウス」からバーミンガムの書店に送られた

注文ハガキ(最終行にW Morrisの署名入)